日本語の母音は、あいうえお の5個。
ハングルの母音は21個あります。
ㅏ、ㅐ、ㅑ、ㅒ、ㅓ、ㅔ、ㅕ、ㅖ、ㅗ、ㅘ
ㅙ、ㅚ、ㅛ、ㅜ、ㅝ、ㅞ、ㅟ、ㅠ、ㅡ、ㅢ
ㅣ
※上記の字母順は1989年に大韓民国で施行された正書法に基づく。
うぅ~、ただの棒にしか見えない…
あってるか、打ち間違ってるかもわからない
今日は21個の中から、「単母音」の10個です。
ちなみに単母音とは、その音が発せられる最初から最後までを通じて、調音器官(唇、歯、舌など)に動きがないものをいうのだそうです。
1 [a] ア ㅏ
日本語のアとだいたい同じだが、口をいくぶん大きくあける。
2 [ɔ] オ ㅓ
日本語のアとオの中間的な音で、アよりも口のひらきを小さくして、オを発音するようにする。
3 [o] オ ㅗ
日本語のオよりも唇を丸めて心持ち前につき出す。
4 [u] ウ ㅜ
日本語のウよりも唇をかなり丸めて前につき出す。
5 [ɯ] ウ ㅡ
日本語のウから唇の丸みをのぞいた音。唇の両端を引いて発音する。唇の形は平たい。
6[i]イ ㅣ
日本語のイとほぼ同じ。唇の形は平たい。
7 [ɛ] エ ㅐ
日本語のエより下あごをかなり引き下げて口を大きくあける。
8 [e] エ ㅔ
日本語のエに似ているが、口のひらきがやや小さく鋭いエ。
9 [we] [ø] ウェ ㅚ
唇を丸くしたままウェと発音する。
10 [wi] [y]ウィ ㅟ
唇を丸くしたままウィと発音する。
※1~8は『朝鮮語辞典』小学館 参照。
自分なりに少し整理をしてみると…
単母音 10種類
NO | 母音字母 | 発音記号 | カナ発音 | 発音方法 | 母音の種類 | よみかた |
1 | ㅏ | [a] | ア | 日本語の「ア」より口を大きくあけて「ア」という | 非円唇 前舌 広 母音 | ひえんしん まえじた ひろ ぼいん |
2 | ㅓ | [ɔ] | オ | 日本語の「ア」より口を少し小さくして「オ」という | 円唇 後舌 半広 母音 | えんしん あとじた はんひろ ぼいん |
3 | ㅗ | [o] | オ | 日本語の「オ」より唇を丸めて前につき出して「オ」という | 円唇 後舌 半狭 母音 | えんしん あとじた はんせま ぼいん |
4 | ㅜ | [u] | ウ | 日本語の「ウ」より唇を丸めて前につき出して「ウ」という | 円唇 後舌 狭 母音★ | えんしん あとじた せま ぼいん |
5 | ㅡ | [ɯ] | ウ | 日本語の「ウ」に近いが、日本語の「ウ」より唇を左右に引く | 非円唇 後舌 狭 母音★ | ひえんしん あとじた せま ぼいん |
6 | ㅣ | [i] | イ | 日本語の「イ」に近いが、日本語の「イ」より唇を左右に引く | 非円唇 前舌 狭 母音▲ | ひえんしん まえじた せま ぼいん |
7 | ㅐ | [ɛ] | エ | 日本語の「エ」より下あごを下げて「エ」という | 非円唇 前舌 半広 母音 | ひえんしん まえじた はんひろ ぼいん |
8 | ㅔ | [e] | エ | 日本語の「エ」より少し小さい口で「エ」という | 非円唇 前舌 半狭 母音● | ひえんしん まえじた はんせま ぼいん |
9 | ㅚ* | [we] [ø]※ | ウェ | 日本語に近い音はない。[e]の舌の形で唇を丸めて「エ」という。 | 円唇 前舌 半狭 母音● | えんしん まえじた はんせま ぼいん |
10 | ㅟ* | [wi] [y]※ | ウィ | 日本語に近い音はない。[i]の舌の形で唇を丸めて「イ」という。 | 円唇 前舌 狭 母音▲ | えんしん まえじた せま ぼいん |
*『朝鮮語辞典』ではㅚ、ㅟを「単母音」ではなく「半母音+単母音」として扱っている。
※ㅚ、ㅟのそれぞれの発音記号[ø]、[y]は『ウィキペディア朝鮮語の音韻』参照。
いやー、それにしても慣れないうちは、大変。
口に出して言ってみたのですけど、普段使わない音は、口のまわりの筋肉が痛くなります。
母国語を習得するときは、口の形なんか教えてもらってないのに出来てしまっているというこのすごさ。改めて感動。
上の10個を発音してみて、「じゃ、日本語の母音はどうなの?」と疑問に思ったので、『ウィキペディア』の「朝鮮語の音韻」と「日本語の音韻」を参考に、関係図を作ってみました。
https://ja.wikipedia.org/wiki/朝鮮語の音韻
https://ja.wikipedia.org/wiki/日本語の音韻
日本語の「う」は、上記の図で表すには位置関係がわからず、表記していません。
ちなみに上の単母音表に、母音の種類を書いていますが、意味はこんな感じ。
・円唇 唇の丸み伴った母音
・非円唇 唇の丸みを伴わない母音
・前舌母音 舌の最も高く盛り上がった位置が最も前で調音される母音
・後舌母音 舌の最も高く盛り上がった位置が最も後ろで調音される母音
・狭母音 子音の摩擦音が生じない境界において舌が上あごに最も近づいて調音される母音
・広母音 舌と上あごが最も離れて調音される母音
文字にするとなんだか難しいですが、日本語については、唇が丸いとか、舌の位置がどことか、口の大きさはどうとか、知らず知らずのうちに考えずに出来てたわけで
音を聞いていけば、韓国語の発音も、できなくもないかなーと思ってきました! (楽観的すぎる😋)
たとえば、韓国語の「ㅣ[i]」は、日本語の「い」と同じ位置関係なので、ほぼ同じ発音。
また、韓国語の「ㅟ [y]」は、韓国語の「ㅣ[i]」と同じ位置関係にあり、単母音表に▲印つけているように、「円唇」か「非円唇」の違いだけなので、日本語の「い」の舌の位置を保ちながら唇を「円唇」、すなわち唇を丸めて出すんだなと、だいたいのことがわかるようになります。
(ㅟの発音、[y]の「円唇前舌狭母音」の説明をウィキペディアで見ると『日本人や英語圏出身者は[ju]と混同しやすいが、「子音+母音」ではなく、あくまでも単独の母音である。』と書いてあるので、見解もわかれるところなのかもしれません。前述したように、単母音だと調音器官の動きがないものをいうので、カナ発音でウィと表現すると、本来の音とは違う音になってしまうのかも‥)
日本語の「お」と、韓国語の「ㅗ[o]」と「ㅓ[ɔ]」はすごく近い音だけど、口の中の広さが微妙に違うんだなと、これもなんとなくわかります。
表にして日本語の母音と比べてみました。
○日本語の「あ」に近い音
あ | [ä] | 非円唇 中舌 広 母音 | ||
ㅏ | [a] | ア | 日本語の「ア」より口を大きくあけて「ア」という | 非円唇 前舌 広 母音 |
( 日本語の「あ」は、補助記号「中舌寄り」の付く[ä] )
○日本語の「い」に近い音
い | [i̠] | 非円唇 前舌 狭 母音(後寄り) | ||
ㅣ | [i] | イ | 日本語の「イ」に近いが、日本語の「イ」より唇を左右に引く | 非円唇 前舌 狭 母音▲ |
ㅟ | [wi] [y] | ウィ | 日本語に近い音はない。[i]の舌の形で唇を丸めて「イ」という。 | 円唇 前舌 狭 母音▲ |
( 日本語の「い」は、精密には補助記号「_ (後寄り)」の付く[i̠] )
○日本語の「う」に近い音
う | [ɯ̜̟] | 半後舌 微円唇 狭 母音 | ||
ㅜ | [u] | ウ | 日本語の「ウ」より唇を丸めて前につき出して「ウ」という | 円唇 後舌 狭 母音★ |
ㅡ | [ɯ] | ウ | 日本語の「ウ」に近いが、日本語の「ウ」より唇を左右に引く | 非円唇 後舌 狭 母音★ |
( 日本語の「う」は、補助記号「+ (前寄り)」・「( (弱めの円唇)」の付く[ɯ̜̟] )
○日本語の「え」に近い音
え | [e̞] | 非円唇 前舌 中央 母音 | ||
ㅔ | [e] | エ | 日本語の「エ」より少し小さい口で「エ」という | 非円唇 前舌 半狭 母音● |
ㅚ | [we] [ø] | ウェ | 日本語に近い音はない。[e]の舌の形で唇を丸めて「エ」という。 | 円唇 前舌 半狭 母音● |
ㅐ | [ɛ] | エ | 日本語の「エ」より下あごを下げて「エ」という | 非円唇 前舌 半広 母音 |
( 日本語の「え」は、補助記号「T (下寄り)」の付く[e̞] )
○日本語の「お」に近い音
お | [o̜̞] | 円唇 後舌 中央 母音 | ||
ㅗ | [o] | オ | 日本語の「オ」より唇を丸めて前につき出して「オ」という | 円唇 後舌 半狭 母音 |
ㅓ | [ɔ] | オ | 日本語の「ア」より口を少し小さくして「オ」という | 円唇 後舌 半広 母音 |
( 日本語の「お」は、補助記号「T (下寄り)」・「( (弱めの円唇)」の付く[o̜̞])
上の表をみると
例えば「オ」の音なら「円唇後舌」までが同じなので
日本語の「お」を声に出してみて
日本語の「お」より、口の広さを少し狭めれば [o]
日本語の「お」より、口の広さを少し広げれば [ɔ]
となるわけです。
日本語の音を基準に
口の大きさを変えてみたり
舌の位置はそのままで、唇を丸めて突き出してみたり
こんなことを意識してやってみると、いい感じの音が出るかもしれません。
とりあえず、なんとなくわっかたような気になったので☺️、続きはまた^^
新たな発見をしたり間違いに気づいた時は、その都度追加訂正していきま~す。