自分が今まで勉強してきたハングルの「母音」をまとめるにあたり、悩む…
今まで母音をみてきたので、子音の勉強に入る前に自分なりにまとめたかったのですが、
基本母音を「8個」にするか「10個」にするか、
基本母音以外を「複合母音」とするのか「合成母音」とするのか、
書物によって、まちまちなので、自分の頭の中の整理ができていません。
ただ、母音を整理するにあたり、
・発音の観点
・字母の観点
から整理しないと、私の頭の中は混乱する、ということがわかってきました。
発音の観点から、私の場合、母音を
「単母音10個、半母音+単母音10個、二重母音1個」
として以前整理しましたが、
その時のブログはこちら↓
「単母音8個、重母音13個」
「単母音10個、二重母音11個」など
他も含め、様々な分類がなされています。
1冊だけを自分の教科書として持つだけなら問題はないと思いますが、
複数冊を持ちながら勉強を進めていこうとすると、
私のような、一つ一つ理解し積み上げていきたいタイプには、
すでにこのあたりで挫折するのも、自分自身納得してしまうところです。
その時のブログはこちら↓
パソコンのキーボードシートを自作してカナダラ表を作ったけど途中で挫折した話
とは言っても、ここで止まっていては、今までの時間がもったいないので
こんな分類方法もあるのだなと、おおよその全体を把握しつつ、
自分のなかでは、この分類方法をチョイスしようと一旦決め、
少しずつ前進することが大切だと思っています。
(三日坊主にならないために…)
そうしていくうちに、また新たな書物や文献に出会い、
納得のいく分類方法も見つかるかもしれませんしね。
発音の観点からの分類は、
「単母音10個、半母音+単母音10個、二重母音1個」型
にしておきます(勝手に「型」とつけました…)。
母音を字母の観点から分類するときのヒントとなった本
では、字母の観点からの分類はどうするか?なんですが…
そう思い悩んでいた時に、この本を見つけ、
頭の中が少しクリアになったのでご紹介します。
『ハングルの誕生 音(おん)から文字を創る』 野間秀樹 平凡社 2010年
第3章〈正音〉の仕掛け
二 〈音(おん)〉から〈かたち(ゲシュタルト)〉へ より引用
母音字母-天地人のゲシュタルト
(略)
母音字母こそ、西方からの子音文字ロードに確固たる終焉を宣言し、朝鮮王朝の文字がユーラシアの極に屹立する象徴でもある。鞏固なるゲシュタルトを(かたち)を与えねばならない。
『訓民正音』解例本の「制字解」から見てみよう。
「中声は凡そ十一字。」
中声は全部で11字である。この母音字母は、「・」「ㅡ」「ㅣ」という三つの基本的な字母から造られている。
(中略)
要するに、「・」「ㅡ」「ㅣ」がそれぞれ天地人、「易」に言う〈三才〉ということになる。
(以下略)
*1
〈正音〉の基本母音字母ー天地人を象る
*1ー実際の図を、イメージとして表した。
母音字母の生成-「ㅗ※」、「・」と「ㅡ」合して成る
この三つの字母を組み合わせて、残りの母音字母を造った。例えば天・の左に人ㅣを配すればㅏ※[a]となる、といった具合に。線と点で造られたㅏ※の字形は、後に線だけでㅏと書かれるようになる。
(中略)
「ㅗㅜㅏㅓ」※は「天地に始まり、初出を為す」とされ、半母音との組み合わせ「ㅛㅠㅑㅕ」※は「ㅣより起きて人を兼ね、再出を為す」とされている。〈再出〉のグループが「ㅣ[j]より起きて」とあるのは、それらが半母音[j]から始まる音であることを、正確に記述しているものである。「ㅗは・と同じかれども口蹙む」と円唇母音であることを示す記述や、「ㅏ※は・と同じかれども口張る」と、より広い母音であることを示す記述も、極めて整然とパラディグマティックになされている。
これらは前頁の図のようにまとめられる。*2
※のついた字は実際は「・」と「ㅡ」「ㅣ」の組み合わせで書かれているが、パソコンで表記できないため、それぞれのハングルの文字とした。
*2-「前頁の図」とある実際の図を『訓民正音』母音字母11字の生成の図でイメージとして表した。
母音の消失と母音体系の変化
単母音、つまり[j]がついていない母音七つのうち、・[ʌ]はやがてなくなってしまった。
(以下略)
たくさんの内容を引用しましたが、
イメージ図をみれば、だいたいの内容は分かると思います。
長い年月をかけて、母音が消失したり、発音も変化があるのですね。(当然!)
半母音[j]を含む ㅛ、ㅠ、ㅑ、ㅕを「基本母音」と呼ぶのはどうなのかな?、
短い棒が一本から二本に増えてるし…
どちらかというと派生母音?、などと思ったりもしていたのですが、
制字原理の上での「基本となる母音」のくくりでもいいのかなと思います。
今の段階では、『中声は凡そ十一字。』とあるように、この11字から・[ʌ]を引いた、上記の10字を基本母音字として整理しようと思っています。
「複合」か「合成」かは、使い分けの記述が今のところ見当たらないので
その時の気分で決めます。(そんなんでいいんかぃ!😂)
また、このときのブログで
「ㅡ」(地)は、陰母音?
と想像していたのですが、
『訓民正音』母音字母11字の生成の図で、はっきり陰母音に区分されていますね。
やはり、「ㅡ」(地)は、陰母音だったようです。
また一つ「スッキリ」が増えました。
母音のまとめができたら、ブログにのせます😄
では、また。